二週間後・・・
「いやあ、今回のオーディションもTV出演も大成功だったな。」
プロデューサーは満足そうに二人に向かって言った。
「まあ、私が実力を出せばこんなものだわ。」
伊織は髪をかき上げながら言う。
「私達の実力も当然だけど、今回はプロデューサーの指示も前回より良かったかしらね。」
律子は冷静にメガネを直しながら言う。
「前回と違って二人の息が合ってたからね。俺はやり易かったよ。今日はお疲れ様。また、明日からに備えてゆっくり休んで明日からも頼むよ。」
「まっかせなさーい、にひひ♪」
伊織はうさちゃんを抱き締めながら笑って言う。
「私は大丈夫だけど、プロデューサーの方こそ頼むわよ。」
片や律子の方はそんなに浮かれずに喜んでいるプロデューサーをたしなめる様に言う。
少し今日の反省会をした後、プロデューサーと二人は別れた。
そして、律子と伊織は揃って事務所を出た。
外は既に暗くなっていたが、まだそんなに遅い時間ではなかった。
「伊織、お疲れ様。」
「お疲れ様・・・。」
目を細めて言う律子を見て伊織は複雑な表情をして答えた。
「今日はありがとうね。私のミス庇ってくれて。」
(えっ!?律子が素直に認めた!?)
伊織は律子の言葉にちょっと驚いていた。
「だって、審査員が注目してたし、あそこで失敗したら不味いと思っただけよ。それに、あいつ前回の失敗取り戻そうって必死だったから・・・。」
視線を逸らし、そっぽを向いて伊織は言う。
「ふ〜ん・・・。自分とプロデューサーの為・・・か。」
意味ありげに言う律子。
「なっ、何よ。他に何かあるって言うの?」
伊織は正面に向き直って律子を見上げて睨みながら言う。

「私の特別レッスンの成果出たのかなって思ったんだけど。」
口元だけ少し笑いながら言う。伊織はそれを言われて思い出して赤くなる。
「そ、そんなの関係ないわよ。」
(あれは、強引に律子がしただけよ・・・。)
そう思いながらも、あの時の感覚はあの日から全く消えていなかった。ただ、律子の言う通りあの日からのレッスンではプロデューサーの指示だけでなく律子の言葉にも耳を傾けるようになり上手く行っていたのは間違いなかった。
「あのまま置いていって風邪引きそうになったの怒ってる?」
「・・・。」
実際にあの後、かなりの時間が経って後から来たあずさと真に発見されて大騒ぎになっていた。律子の言葉に違う意味で恥ずかしくなり俯いた。顔のだけでなく、おでこの方まで更に赤みを増していた。
「あのね、まだ時間があるから邪魔の入らない所で特別レッスンしようと思うんだけど。」
「えっ!?」
律子から出た言葉に驚いて伊織は顔を上げる。
「別に前回みたいに無理強いはしないわ・・・。伊織次第よ。」
(私を試しているのかしら・・・。その手に乗るかってのよ!)
「結構よっ!」
伊織はムッとした顔になりきっぱりと言った。
「分かったわ。今夜ここに泊まってるから、気が変わったら・・・ね。」
そう言って律子は伊織にメモを差し出す。
「べ、別にそんなの要らないわよ。」
伊織はそう言ってメモを受け取ろうとしない。
「プロデューサーにはこの事話してないから、もし何か急用があって連絡取れない時、伊織へ連絡が行った時に私の居場所が分かれば印象良いんじゃないかなと思うんだけど。」
シュバッ!
そう言われると伊織はメモを凄い速さで引っ手繰った。
「そういう事なら受け取っておくわ。」
「ありがとうね。これからプロでユーサーの所に戻るのも面倒だったから。」
(やっぱり伊織プロデューサーに気があるのね。)
眼鏡越しに見てる瞳は伊織の心中を見透かしているようだった。

「それじゃあ、またレッスンでね。お疲れ様。」
律子はそう言って背を向けて事務所の前から離れて行く。
「お疲れ様〜。にひひ♪」
(って、何で律子相手に笑ってるのよ。)
伊織は軽く自分の頬を叩いた。そして、携帯で迎えの車を呼んだ。
伊織は車の中で窓からぼんやりと外を眺めていた。
「・・・様。・・・お嬢様。」
「あっ!ごめん。何?」
伊織は運転手の呼びかけに我に帰った。
「ご指定のホテルの前ですが如何致しましょう?」
「降りるわ。」
伊織はドアが開けられるのを待った。
「ミーティングだからそんなに遅くならないと思うわ。また連絡入れるからそうしたら来て頂戴。」
「かしこまりました。」
降りながら運転手に言って、伊織はホテルの中へと入っていった。
(あんまり趣味が良いとは言えないわね・・・。)
いつも行っているホテルよりもグレードが数段落ちる内装に少し呆れていた。
エレベーターの中はまだ早い時間なので、何人か一緒に乗っていたが気にせずメモを見ていた。目的の階についてエレベーターを下りた。
少し人目を気にしてドキドキしながら歩いていた。
そして、律子の居る部屋の前に着いた。
(私、何で来ちゃったんだろう・・・。さっきはああ言ったのに・・・。)
伊織は内心複雑だった。自分のプライドと快楽と言う名の甘い誘惑に揺れる自分に・・・。
暫くの葛藤の後、伊織は意を決してドアをノックした。


律子:んふふっ、任せて伊織・・思いっきりイかせてあげる♪ 次は私にもして・・ 動画 アダルト動画 ライブチャット